===== フィロデンドロンの用土 ===== フィロデンドロンを育てるなら水はけの良い[[無機質の土]]が適していますが、[[有機質の土]]でもちゃんと育ちますので好みの問題です。 ここでは[[無機質の土#ベストソイルミックス]]を利用するのが確実ですが自分で土を配合する場合は[[無機質の土#ザ・ソイル・ベース]]に近づくように、硬質赤玉土(小粒)、硬質鹿沼土(小粒)、軽石砂(小粒)の3種類を[[無機質の土#6:2:2]]の割合で配合しましょう。ちゃんとふるいがけをし微塵を取り除いた土に植え付けを行いましょう。 >[[無機質の土|フィロデンドロンの用土622の詳しい作り方]] ==== 用土の違い ==== [[無機質の土]]と[[有機質の土]]で育てた場合の違いは、[[無機質の土]]の場合は土が硬いため根の生育が遅いが生育にストレスがかかるので気温の変化に強く葉が厚く小さい個体が育ち越冬も楽になる可能性が高まります。また、有機肥料が含まれていないため虫が湧きにくいです。室内でフィロデンドロンを育てるにあたって虫が湧きにくいのはとても大きなメリットです。 [[有機質の土]]は土が柔らかいため根が自由奔放に育ち、株も葉も薄く大きくふんわりと育つがストレス耐性が低いため環境の変化に比較的弱くなります。ジャングルを目指すならわさわさと育つ[[有機質の土]]の方が適しています。有機肥料配合の用土を使用した場合は虫の湧く可能性が高くなるのがデメリットです。室内で育てて虫が湧くのは最悪です。また、ふとした拍子や地震の時に鉢植えを倒した時の惨状は目も当てられません。 生根をイメージしてみると、無機質の硬い土に根を張るのはゴツゴツしてて根を伸ばすのはとても大変そうで、柔らかい有機質の土は抵抗なく伸びそうです。その様子から成長度合いが違うと思われます。 熱帯植物であるフィロデンドロンの魅力の一つにジャングルのようなわさわさ感もあるので、それを目指すなら[[有機質の土]]を使った方がよいでしょう。私のように虫が嫌いな人や室内で育てようと思ってる人、コレクター気質で数を集めたい人は[[無機質の土]]の方が場所を取らなくてよいかもしれません。 小さいお子様やペットを飼っている人は倒しても掃除が楽な水苔やネコチップが良いかもしれません、粒度が大きいとはいえ土はやはりぶちまけると掃除が大変です。 ===== どれがいいか?ではなくどうしたいかで用土を決めます。 ===== >限りあるスペースで小さく植物を楽しみたい人は無機質の用土 >熱帯植物なんだからジャングルのようにデカくしたい人は有機質の用土 === なになにの土について === よくある「観葉植物用の土」とか「軽い培養土」とか、メーカーによって何が違うのか。これはただたんに、植物を卸売りしている生産者が自分で使っている土を小分け販売しているだけの話で、その生産者の生育環境に合っている土を「なになにの土」としているだけです。ですので生育環境が違えば当然適した土は違うわけで、ましてやマンションの室内環境で育てるのと生産者のハウス栽培している環境では全然違いがあるわけです。じゃあ何を使ったらいいのかという問題に対してどんな環境でも失敗が少ないであろう無機質の622を利用するという話なだけなのです。 >生産者は外や温室管理であることを頭に入れておく必要があります ==== 水苔 ==== 虫が湧きそうで土にはどうしても抵抗がある場合や、土を処分する場所がない都市部にお住まいの人は燃やすゴミとして捨てられる[[水苔]]がオススメです。適切に肥料を与えていれば[[有機質の土]]のように育ちます。乾いたかどうかが見た目と軽さでわかるのでとても管理がしやすいです。ですがいつも湿らせておくと白カビが生えたりコバエの巣になる可能性があるので濡らしっぱなしはよくありません。かといってカラカラもよくありません。 初期の発根に使ったりフィロデンドロンを増やすときにも水苔は活用できるうえにうまく育ちます。プラグや1号サイズでやりましょう。 >乾いたときに植物の自重で倒れたりするのがデメリット、また、水やりの加減が難しい気がします。 >水苔は燃やすごみで捨てられます。 ==== ベラボン ==== 虫が湧きそうで土にはどうしても抵抗がある場合や、土を処分する場所がない都市部にお住まいの人は燃やすゴミとして捨てられる[[ベラボン]]もオススメです。ヤシの実チップ、ココチップ、ハスクチップとほぼ同じものです。すぐ乾くので頻繁に水をあげられる人向けです。 派生で一部の方に有名なネコチップというというものもありますが、自作できます。 >[[ベラボン|ネコチップの詳しい作り方]] ==== 用土が乾かない原因 ==== 梅雨時期の湿度が上がった時にフィロデンドロンの用土が乾かないのは生育を止めり湿度が高すぎるのが原因になります。 春から成長の時期で適切な光や肥料で生育していると比較的ずっと成長をしていますが梅雨時期の悪天候で光が足りなくなったり湿度が上がり暑すぎて生育を止めたときに用土の乾きが悪くなります。 解決策としては曇りが増えてきたら光を当てる[[植物育成ライト|補光]]で成長を促したり、洗濯物を乾かすときのように[[風を動かす]]。風通しをよくしたり温度を高めて飽和水蒸気量を上げて除湿するという方法があります。 一番お金の掛からない方法は窓を開ける。お金を掛けるならサーキュレーターで風を動かす。空気の入れ替えや今まで行っていた加湿器や葉水をやめるなど工夫が必要です。 ==== 622のデメリット ==== 日本は地震が多い国です。室内で猫や犬などの動物を飼っている方や小さいお子様が遊ぶ家もあるでしょう、室内栽培をしているとどうしても日当たりの良い窓枠に置いたりちょっとした棚の上に置いたりします。地震などでそういった場所にある植木鉢が倒れると室内中に622の土が飛び散るという災害が訪れるわけです。粉のような黒い観葉植物の土よりは被害は少ないですが硬質とはいえ崩れた土や飛び散った石の回収は大変です。土は自然物なのでゴミ扱いではなくゴミとして捨てられないのが問題になります。それが622のデメリットです。 >園芸用土は捨てられません ===== で、結局どれがいいの? ===== どれがいいか?ではなくどうしたいかで用土を決めるとは言いましたが、筆者が色々試した結果失敗しにくく維持管理が一番簡単なのは無機質622です。 筆者の環境ではベラボンやネコチップは乾きすぎて水やりがとても難しく、コツを掴めませんでした。 >水の有り無しで土の色が変わるので乾いたのがわかりやすい >用土劣化を気にせず放置できる >土に比較的重みがあるので植物が大きくなったり乾いたときに植物が倒れにくい