フィロデンドロンの育て方

フィロデンドロンの育て方

色々なフィロデンドロンの育て方がある中で、ここでは主に室内環境において邪魔にならないよう小さく強くがっちりした個体に育てるための方法を記載しています。野性味あふれるジャングルのように大きくわさわさと育てる方法とは違うので育てたい好みの方法をご自分で選択してください。

フィロデンドロンに適した温度は気温で15~30℃。暑さには強いですが、35℃以上の酷暑が続くと生育が鈍ります。また、耐えられる最低気温の目安は5℃となりますが5℃が続くと弱って枯れます。

フィロデンドロンに適した湿度は種類によります。基本的に60~80%くらい必要ですが、低湿度でも大丈夫な種類もあります。つる性のフィロデンドロンの方が湿度が必要です。

フィロデンドロンを育てるなら水はけの良い無機質の土が適していますが、有機質の土でもちゃんと育ちますので好みの問題です。

ここではベストソイルミックスを利用するのが確実ですが自分で土を配合する場合はザ・ソイル・ベースに近づくように、硬質赤玉土(小粒)、硬質鹿沼土(小粒)、軽石砂(小粒)の3種類を6:2:2の割合で配合しましょう。ちゃんとふるいがけをし微塵を取り除いた土に植え付けを行いましょう。

無機質の土有機質の土で育てた場合の違いは、無機質の土の場合は土が硬いため根の生育が遅いが生育にストレスがかかるので気温の変化に強く葉が厚く小さい個体が育ち越冬も楽になる可能性が高まります。また、有機肥料が含まれていないため虫が湧きにくいです。室内でフィロデンドロンを育てるにあたって虫が湧きにくいのはとても大きなメリットです。

有機質の土は土が柔らかいため根が自由奔放に育ち、株も葉も薄く大きくふんわりと育つがストレス耐性が低いため環境の変化に比較的弱くなります。ジャングルを目指すならわさわさと育つ有機質の土の方が適しています。有機肥料配合の用土を使用した場合は虫の湧く可能性が高くなるのがデメリットです。室内で育てて虫が湧くのは最悪です。また、ふとした拍子や地震の時に鉢植えを倒した時の惨状は目も当てられません。

生根をイメージしてみると、無機質の硬い土に根を張るのはゴツゴツしてて根を伸ばすのはとても大変そうで、柔らかい有機質の土は抵抗なく伸びそうです。その様子から成長度合いが違うと思われます。

熱帯植物であるフィロデンドロンの魅力の一つにジャングルのようなわさわさ感もあるので、それを目指すなら有機質の土を使った方がよいでしょう。私のように虫が嫌いな人や室内で育てようと思ってる人、コレクター気質で数を集めたい人は無機質の土の方が場所を取らなくてよいかもしれません。

フィロデンドロンは熱帯育ちのため耐暑性はありますが比較的耐寒性は弱い植物です。寒さに強い品種であれば5℃まで耐えることができますがほとんどの品種は10℃以上の温度が必要です。 そのためフィロデンドロンの生育期に屋外に置いている場合は10月までに室内に入れ、窓際などの日当たりが良い場所に置いてあげましょう。

また、フィロデンドロンは世界の熱帯や亜熱帯に400種以上生息しています。種類が豊富な上にそれぞれ草丈も10センチのものから100センチに育つものまで様々で葉の形も多様です。 室内に置くならあまり大きくない品種をおすすめしますが、大きな品種を1点ドーンと置いてもかっこいいのでそれぞれの品種に合った置き場所を探しましょう。

フィロデンドロンは日の当たる場所を好みます。ただし、葉焼けを起こす可能性があるので直射日光の当たる場所に置くことは避けましょう。 また、耐陰性があり日陰でも育てることは可能ですが日当たりの悪い場所で育てると葉色が悪くなったりヒョロヒョロとした見た目になってしまうので気をつけましょう。

春秋は屋外の明るい日陰、冬は室内の日当たりの良い場所に、一年を通して柔らかい光に当てることをおすすめします。

日照不足は植物育成ライトで補えます。本物の日光のような育成力は得られませんが補光は有効です。植物育成ライトにも色々な種類があり専門的になればなるほど値段も上がります。

フィロデンドロンはとても水を好む植物なので春や秋などの生育期は土の表面が乾いていれば鉢の下から滲み出るほどたっぷりと水をあげます。 また、フィロデンドロンは湿度の高い場所を好むので茎の途中から生えている気根にも水をたっぷりとかけましょう。

さらに室内で育てる場合エアコンなどで葉がカラカラに乾燥してしまうため葉水といって霧吹きなどで葉から水をあげることも頻繁に行ってあげましょう。

冬はフィロデンドロンの生育が鈍る時期なので控えめに水やりを行います。秋を過ぎて気温が寒くなってきたら水やりの頻度を減らし少し乾かし気味に育てます。こうすることで耐寒温度も上がり冬を越しやすくなります。 そして土の表面が乾いてからもすぐには水をやらずに3日から4日程の間隔を空けて水やりをします。このときの水やりもたっぷりしますが受け皿に水を溜めておかない様にして下さい。

水を与えすぎると根腐れなどの原因になるので特に冬は注意して水やりを行います。 また、葉水をしながらも時々濡れたティッシュなどで葉の表面を拭き葉に積もってしまった細かなホコリなどを拭き取ってあげると元気に育ってくれます。

ちょろちょろ水やり

冬は用土が乾かないからといってちょろちょろ水やりは弱る原因になります。頻度は減らしても水やりは老廃物を流すというイメージで鉢底からたっぷり水が流れ出すくらいあげる。

フィロデンドロンの肥料

フィロデンドロンの肥料は基本的に無くても良いのですが与えた方が生長が早くなるため大きく育てたい場合には必要になります。 注意点としては冬場の生長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので春~秋の生長期に与えるようにします。

基本的に液肥は適切な濃度に希釈したものを記載通りに与えるのが正しいのですが、個人的には記載倍率より3~5倍薄めの液肥を作り葉面散布しながら鉢にも与えるのがいいと思います。理由は薄めで与える分には肥料焼けの心配が少ないことと置き肥も併用できるということです。薄めで与えておけば肥料過多の心配も減り失敗も減ります。緩効性の置き肥を与える場合は有機肥料ではなく化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

無機質の土で育てていると葉が黄色くなってくる場合があります。害虫や病気による症状も考えられますが植え替えてから肥料を一回も与えていない場合は肥料不足の可能性があります。その場合は即効性のある液肥を施肥し少し間をあけてから緩効性の置き肥を与えると良いでしょう。

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  • 最終更新: 2025/04/01 18:03
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