フィロデンドロン

フィロデンドロン Philodendron は、サトイモ科に属する分類群。中南米に生育し種類は多い。多くのものが観葉植物として栽培されている。

概説

この属は多くが気根によって樹幹を這い上る蔓植物だが、直立するものや着生種もある。葉の形も様々で、単葉のものから複数に裂けるものまである。仏炎苞を持つ花序が葉腋から出るように見えるのも一つの特徴である。

種数は非常に多く、サトイモ科で2番目に多いとも。観葉植物として栽培されている種が多い。中南米に分布し、それ以外の地域にはない。

学名はギリシャ語のPhileo (愛する)とdendron(木)に由来する。この属の多くのものが木に登る性質を持つことからつけられたものである。属そのものの和名は無いようであるが、個々の種には和名を与えられているものもある。

特徴

形態的にはきわめて多様。多年生草本で、茎は短く匍匐するもの、直立するもの、気根で張り付いて樹木に這い上るよじ登り形の蔓植物まである。特に熱帯域では蔓性のものが多く、そのようなものでは茎の節間が大きく伸びる。茎の節からはよく気根を出す。

成長した植物ではその芽が葉鞘から変化したと見られる膜状のものに包まれて保護されている。葉は互生し、葉柄は普通は長い。葉柄には基部の葉鞘部分と、断面が円形に近い葉柄部分が区別出来、前者は往々にして短くなる。葉身の概形は長卵形、卵形、心臓形などだが、多くの場合、基部は楔形から心臓形である。葉質は柔らかい革質で厚みがあるのが普通。葉脈は主脈から生じる側脈、さらにそれから生じる2次、3次の側脈まで平行に並ぶ形を取る。葉の縁は滑らかなものも多いが、波状の鋸歯があるものや羽状に大きく裂けるものもある。ただしモンステラ Monstera に見られるように、葉身に穴が空く形は見られない。葉は成長に連れてその形態が変化する例も多い。

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  • 最終更新: 2025/04/01 18:03
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